つくねの箱の中

思ったことをつらつらと。

2021年秋アニメ 所感

アニメを追いながら社会人生活を送るのにようやっと慣れてきたところです。

では秋アニメを振り返ってみましょ~。

【S】 無職

【A+】ワートリ

【A】 なし 

【Aー】大正 タクト 月とライカ ブルピリ 見える子  電池少女 先輩がうざい 古見さん

【B+】セレプロ アクアトープ

【B】    海賊王女 サクガン

【Bー】なし

【まだ】エイティシックス

【通期】ボルト  ダイ大

【継続】王様(A+)プラチナ(B+)鬼滅(話数不足で評価不能

計20本

 

切りながら見てた割には結構残りましたね。

惜しい作品が多かった印象ですが、無職だけは頭1つ抜けていました。

 

以下個別感想。

 

【S】

・無職

ウマ娘2期以来のS。どこをとってもハイクオリティの1クール目そのままに縦軸が加わったら当たり前のように強かった。作画の良さに焦点が当たりがちの作品ですが、個人的にはストーリーの構成力をより高く評価したいです。シリアスな目標を持って始まった旅の最初の長編で和ませるエルフ編を用意し作品自体の雰囲気を明るめにする、その後で憔悴しきった父親と会わせることで重めの前後編でも両者どちらにも感情移入できる舞台を整えています。解決後ロキシーの家族を描く話数に続けることで短編を意味あるものにする点も高評価でした。このように視聴者の感情をストーリーでコントロールすることで、勝負回の評価をより高めさせる戦術は常にハイクオリティなアニメを提供できるこの作品だからこそ成功したものだと思います。一番良かった話数は長井龍雪がコンテを担当した17話。1つ1つ丁寧なカットと声優の名演により自分の気持ちに素直になるまでの描写が細かく描かれた年間でも指折りの話数でした。2期もぜひお待ちしてします。

 

【A+】

・ワートリ

盛り上がる所に全力をかける東映の得意戦術を存分に楽しませていただきました。元々ランク戦の中でもトップクラスに面白いROUND8が太田さん筆頭アクションアニメーターの手によって劇場版クラスに引き上げられた結果鬼滅呪術といったハイパージャンプアニメにも負けない出来になっていたと思います。SQ移籍後内容の独自性がさらに尖っていくこの作品ですが、このROUND8はその尖り具合と少年漫画的な要素がしっかりと混ざっていた章でした。ジャンプ連載の高クオリティアニメ化の恩恵を全面に受けきった2クール、大満足です。

 

【Aー】

古見さん

アバンから締めのOPまで、新規作品としては完璧な1話でした。チョークの粉で時間的演出をやっていたのがとても印象的で、期待感を持たせたまま爽やかでポップなOPに繋ぐ構成はお見事。その後はコメディとしてテンポよく物語が続いていくのですが、ここではあじみがオールラウンダーとして大車輪の活躍。コメディは一人で話を回せるキャラを作ることができるかで大きくクオリティに差が出てきますが、この作品におけるあじみは展開の始動役としてあまりに扱いやすいキャラとして奮闘していました。「こいつが何かやらかすと面白い」そう思えたのもこの作品をAにできた理由の1つです。逆にそれ以外はCV日高里菜くらいしか笑いに繋げられるキャラはいなかった印象なので、良くも悪くもあじみ頼りな作品ではありました。1期で満足したのもあり、2期は時間があればくらいのテンションで待つとします。

・大正

原作の後半で待ち構えていた鬱パートを改変し主役2人の関係に焦点を絞った構成に、そのおかげか見るべき所も分かりやすく最後まで楽しく見ることができました。低予算企画だったとは思いますが並の作品よりクレジットが安定していたのは凄い。総じてリソースの割り振りがしっかりしていた佳作と言えるでしょう。期待をだいぶ越えてくれました。

 

・タクトオーパス

ソシャゲに続くまでの前日譚を描いた作品。

戦闘よしキャラよしとストーリーさえもう少し良ければ余裕のAでした。ゲームの前日譚とはいえ割と雑な所が多いのが難点だったかな… 小物浪川はその賜物だったとは思いますが。サブキャラはCV日野聡が強かったですね。テレビアニメならではのやり方が上手く作用していました。時間をかけて好感度を上げ、上げきった所で大技を打って散る、理想的なサブキャラだったと思います。10話は個人的にかなり好きな話数でした。

 

・月とライカ

大正と並ぶ地味ながら収まるべき所に収まった佳作。前半のパワーに後半が耐えられなかったのが惜しい点でしたが12話で過不足なくまとめきった構成力が強かったですね。やはり評価したいのは前半で、イリナがどういうキャラかを見せつつ宇宙飛行士として成長していく姿をしっかりと示した上で成功シーンのカタルシスまで持っていく、とても満足感のある章だったと思います。年間トップ10に入ることはないけれど忘れちゃいけない作品は多々ありますが、この作品もそれにあたるものだったと思います。

 

・ブルーピリオド

正直あまり語ることがない。声付き原作という他になく、その原作は既に読んでしまっているので… 原作の良さは出力できていた点で少なくともAーはありますが、そこからプラスできるものはなかった印象です。これは他の原作物でも起こりうる現象なので仕方ないといえば仕方ないのですが…

 

・見える子ちゃん

今期の中でもダークホースでしたね。一発ネタかと思いきや手を変え品を変えバトルもどきにも突入、なんだかんだで毎週楽しませてくれた作品でした。ミコのキャラがとにかく強い。ギャグからトラブルメイカーまでなんでもやってくれる万能の存在でした。古見さんのなじみに近い存在だったと思います。演出で差はつけられてしまいましたが、こちらもコメディとして十分見れる出来でした。

 

・先輩がうざい後輩の話

キャラのわちゃわちゃ感は今期コメディでは一番、細かく動かす動画工房の本領が発揮された作品でした。話の内容としてはまるで進まず、コメディパートも笑いどころはなく、ただただ日常を描く(それを見てニヤニヤする)作品を見るのは久しぶりでしたがたまには悪くないですね。でもこの手のはMAXでもこのくらいの評価になるのは確か。伊藤監督が担当した1話と最終話との対比演出や化物OPは最高でした。トラブルの作り方がワンパだったのはTwitter漫画って感じでしたね。

 

・電池少女

とてつもなくB級を貫き通しました。

あまりにも古いオタク描写筆頭に目を背けたくなるシーンは多かったものの3人の少女と空っぽな主人公とが絡むことで成長していく姿は見ていて楽しかったですね。ストーリーも王道で分かりやすさ優先のライトな作品だったと思います。好きなものに誇りを持ち、それを前面に出していけるオタクというのは中々今風だったり。サブキャラのホストやアラハバキのリーダーなど褒めるのが難しいキャラもいましたがメインキャラが全員良かったので最後まで見れたものになったと思います。

 

【B+】

・セレプロ

キャラA+、脚本C、結果B+。

アイドル物は数あれどリアリティーショーをモデルにした作品は初めてで、けれどその強みを活かすことができなかったという印象です。

アイドル物は言ってしまえばキャラ全員が売り出したい声優の写しであるため、脱落者が出ないことは分かりきった話ではあります。その中で設定を活かすためには観客の力が必要不可欠だったと思うのですが、それが描かれなかったのがとても惜しい。何より突然の人狼ゲームで全員脱落という流れが単なるびっくり箱以上の働きをしなかったのが本当に残念でした。総じて初期設定から話の流れまで違和感しかなく、それだけならBなのですがキャラは応援できるようになっていたんですねえ。この子はこういうキャラで、この為にオーディションに出ているというのが分かりやすくここは他のアイドルアニメ、特に設定に類似点があったことから比較対象に挙げられるアイプラより良いものができていたと思います。これを加味してB+、とあった塩梅です。オリジナルは難しいですね。(これ以下3つも同様)

 

・アクアトープ

こちらも脚本に難ありの作品。

1クール目で描いたファンタジーが2クール目であっさり捨てられたり、リアルっぽく描いた2クール目ではファンタジーの世界にいるような不器用上司との生活(これが当たり前のアニメ業界の可能性もあるが)、どっちつかずがいつまでも続いた結果ぼんやりとした作品に収まってしまいました。オリジナルアニメでは何がやりたいかを明確にしなければ最低限の面白さが伝わらないと考えていて、それに準ずる評価としてのB+です。この作品では1クール目にあったファンタジー要素の回収がどっちらけになっていたのが挙げられますね。同じスタッフの色あすも同じような評価をした覚えがあるので、次も同じスタッフなら同じようになるのだと思います。それにしてもPAはいつのまにかDRがいないとアニメ作れなくなりましたね。人が減っているのでしょうか。

 

【B】

・海賊王女

絵がキレイなだけのIGの無駄遣いでした。

最低2クールは欲しい本格ファンタジーかつ要素詰め込み作品を1クールでまとめようとしたのが無理だったのでしょう、湧き出てくる設定に流されるまま話が終わってしまいました。せめて前半の冒険中に触れて欲しかった要素が多すぎる。コメディ味のあるファンタジーからのギャップを狙っていたのかもしれませんが、伏線となる要素を撒けなかった結果謎の力に導かれるまま最短ルートを辿っていく主人公というまるでTASのような作品になっていたと思います。監督が3人もいたので船頭多くして〜のパターンだったのでしょうか。 アクションがとにかく良かっただけにそれを活かす方向性で話を進められたらまだよかったのかな…

 

・サクガン

今期見たなかではワーストの作品。

未知の世界に飛び込んでいくであろうスケールの大きな1話を経て描かれたのはどこまでも小さな親子関係のエピソード、話の軸としては悪くなかったもののそれだけで最終話まで進まれても辟易してしまいます。 B+、Bの内3作は詰め込みすぎて毀れていた作品でしたが、これだけは内容が薄すぎて語る点もあまりなく。ギクシャクしていたが最後は仲直りする親子コメディを続けていたと思いきや唐突に設定を回収する回が組まれたりとアンバランスな構成が目に付きました。結果として最終話まで見続けましたが残っていた謎らしい謎は回収されないまま終わってしまい消化不良。最後まで脚本にノれなかった作品でしたね。

 

さて秋アニメの感想もここで終わり!

ここまで読んでいただきありがとうございました。社会人も社会人なりにアニメは見れますね。

冬アニメはcloverの2作がいい調子なので、このまま期待して見続けていきたいところです。