つくねの箱の中

思ったことをつらつらと。

それは正しいグローバル化なのか~ヒロアカ丸太問題から考える~

衝動的にあげる感想記事。

2020年始まって一番の事件になりましたね。

2月3日発売の『週刊少年ジャンプ』で掲載された『僕のヒーローアカデミア』内で登場した人体実験もいとわないマッドサイエンティストの名前が「丸太」だったために、戦中「丸太」と称された人々で人体実験を行っていたとされる大日本帝国陸軍731部隊を連想させるという批判が中国、韓国から噴出した今回の問題。

集英社はこれに対し「意図はしていなかったがコミックスで名前を修正する」という意見を発表。発売当日に出たものでありかなり迅速な判断だったと言えました。

しかしこれで幕引きとはならず。中韓の批判は収まらず、先日中国の大手配信サイト「ビリビリ動画」でこれまでのヒロアカのアニメを全て配信停止にするという措置が行われました。

そして2月7日、集英社は作者の堀越氏と連名で謝罪声明を発表。

今回の問題を巡り、ネット上では様々な意見が行き交いましたが、一番に考えなくてはいけないのはグローバル化するエンタメの怖さ」だと思います。

グローバル化…ビジネスの多様化により、各産業は国内だけでなく国外も意識する必要があるのは当たり前となった現在。近年エンタメ産業において特に大きな影響を及ぼしているのは中国です。ハリウッドが代表例として挙げられるように、中国という存在がエンタメ市場において大きな存在感を放っているのは事実。しかし一方でその存在感が作品の表現を狭めようとしているのもまた事実です。今回の事件は、本来国内では起こりえないものであり、グローバル化がもたらした弊害だと言えます。

集英社が企業として正しい選択をしたにも関わらず、これから先の配信による収益が失われかねない事態が発生したことを受け想定される未来として、「作品製作において中国を意識する(=媚を売る)」ことが考えられます。

今回後出しのように7日に謝罪声明を発表したのもその一つでしょう。

実際、中国で大きな人気を誇る『とある』シリーズのアニメ『とある科学の超電磁砲T』では、登場人物である削板軍覇のTシャツから日章旗が削除されており、既に作品を発表する段階で中国を意識した改変を行う必要性があることを示しています。

しかしこれは、本当に正しいことなのか。作者の表現の自由を、ビジネスという鎖で束縛しているのではないか。中国市場を意識したあまりに歪な作品が生まれないだろうかと心配でなりません。今回の一連の騒動は、創作において中国の存在がますます大きくなっていくだろうことを予期させるものとしては充分であったといえます。

これから先、作品を世に出していくなかで作家の表現をどこまで尊重することができるのか。企業の動向が問われていく時代になりそうです。願わくばこれ以上問題が広がらないことを。とりあえず某国の違法アップロードは即刻禁止してほしいなあ...